フェーン現象の原理を解説!気温上昇の鍵は山にあり!
フェーン現象の原理

 

フェーン現象って聞いた事あるかな?

新潟で先日起きた局地的な気温の上昇の事です。気温40度超えてたよね。

この原理を解く鍵は、山と湿った空気にあります。

 

今回はフェーン現象の原理についてや、

フェーン現象が起きやすい場所について触れていきたいと思います。

目次

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フェーン現象とは

フェーン現象

フェーン現象とは

 

読者様
フェーン現象って何?急に暖かくなるやつ?

 

まずはフェーン現象とはについて、さらっとおさらいしようか。

簡単に言うと、山を登った空気は乾燥した暖かい空気となって降りてくる現象の事。

春や夏に局所的に突然暖かくなる現象があるよね。

最近起きたフェーン現象の事例をご紹介します。

山越えの風でフェーン現象が起きている新潟県では、朝から気温上昇が著しく、上越市高田で正午過ぎに40.0℃を観測し、5月26日に北海道佐呂間町で観測した39.5℃を上回り、今年の全国高温1位記録を更新した。

引用:ヤフーニュース,新潟で40℃ 今年1位の記録更新 15日も猛暑続く

 

ここで読者様は色んな疑問が生まれるかと思います。

疑問
疑問1  なぜ局地的に温度が上がるのか
疑問2    なぜ空気が乾燥するのか

疑問1に行く前に疑問2から紐解きます。

疑問1はフェーン現象の原理の項で紐解きます。

 

なぜ空気が乾燥するのか

これは湿った空気が山を上り、登る過程で湿った空気は雲となり雨を降らせます。

湿った空気は雨となり、空気中の水分はなくなります。

その結果、山を下る空気は乾燥した空気にとなって、風下側へ降りてくる。

簡単に言うと、これが山越えで空気が乾燥する原理です。

 

詳しく言うと、空気中に含む事のできる水蒸気量には限りがあります。

この限界まで水蒸気を貯めた状態を飽和状態と言います。

飽和状態を超えた水蒸気が凝結や昇華(個体から気体へ変化)することにより、雲が発生します。

そして、飽和水蒸気量は気温が低ければ低いほど少なくなります。

つまり山を登れば登るほど気温は下がるので、空気中に含む事のできる水蒸気量は減少します。

下のグラフがわかりやすいです。左側が気温が低く、右へ行くと気温が高い。

飽和水蒸気量

引用:山賀 進のWeb site,第二部-3-大気と海の科学

空気中に含めなくなった水蒸気は雲に変化していき、

結果として山を登ると空気は乾燥していくわけなのです。

 

豆知識として、夏は気温が高いので空気中に水蒸気を多く含めることができます。

だからジメジメしている時があるのです。梅雨の時期とか最悪だよね。

暑いしジメジメしているし。

 

まぁとりあえずフェーン現象のざっくり概要は下記の動画でご覧ください。(適当

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フェーン現象の原理

フェーン現象の原理

フェーン現象の原理

 

では第2の疑問「なぜ空気が乾燥するのか」が解けたところで、

フェーン現象の最大の疑問、

なぜ局地的に温度が上がるのか」の原理について解説していきます。

これは疑問1の空気が乾燥するプロセスに大きな鍵があるのです。

乾燥断熱源率

大まかな原理として、空気は100m上下するごとに±1℃温度が変化します。

これを乾燥断熱源率と言います。

そしてこれは乾燥した空気の場合に当てはまります。

乾燥断熱源率
乾燥断熱源率=1℃/100m

湿潤断熱減率

フェーン現象を引き起こす空気は湿った空気であるため、

ある地点で水蒸気量が飽和して雲が発生します。

飽和している空間では、雲になるために水蒸気が凝結(気体から個体への物質の変化)しているため、

潜熱と言われる熱が発生しています。

この放出された潜熱により空気は暖められ、温度の下がり方は小さくなります。

 

この水蒸気が飽和した空間の高さによる温度の変化率のことを、

湿潤断熱減率と言います。そしてこの温度の上下は条件によりますが、

0.5℃/100mと言われています。

湿潤断熱減率
湿潤断熱減率=0.5℃/100m
難しい単語とか数字ばかりでごめんね。ただ原理を紐解く上で重要だから集中してみてね。

フェーン現象のメカニズム

そしてこの乾燥断熱源率と湿潤断熱減率の差こそが

フェーン現象を引き起こす原因となっています。

 

下の画像を基にフェーン現象を実際に体験してみましょう。

フェーン現象1

フェーン現象1

条件

条件として、風下が20℃の湿った空気、山は1000mの高さ

飽和した空間(雲ができた場所)が500m地点として設定した場合。

飽和する空間までは[1℃/100m]の下がり方をします。

飽和した空間を超えた地点からは[0.5℃/100m]の下がり方になります。

つまり頂上では12.5℃まで温度は下がる計算となります。

頂上=20℃-((1℃×(500m÷100m))+(0.5℃×(500m÷100m))=12.5℃

 

頂上まで登った空気は飽和現象により乾燥した空気になっています。

よって、頂上から風下の麓までは1℃/100mが適用されます。

つまり麓では22.5℃まで温度は上昇するということになります。

麓=12.5℃+(1℃×(1000m÷100))=22.5℃

 

この2.5℃の差こそがフェーン現象の原理という事になります。

実際は色んな気象条件で温度の上がり下がりは変わってくるけど、

大まかな原理としてはこれになります。謎は解けたかな?

 

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フェーン現象が起こりやすい場所

 

日本は山ばかりの国です。

フェーン現象は湿った空気が山を登ることによって起きます。

日本には上の画像の用に、20もの山地があります。

これら山地の麓はフェーン現象が起きてもおかしくない場所です。

 

先日は新潟でフェーン現象が発生しています。

これは画像10番の越後山脈を超えた空気が引き起こしています。

ちなみに越後山脈は高さ2000mくらいの山々があるので、

乾燥断熱源率と湿潤断熱減率の差が大きくなり、フェーン現象でより暖かい空気が流れることになります。

 

山脈や山地の麓に住んでいる方は、

フェーン現象が起きる可能性があることを覚えておきましょう。

熱中症だけでなく、空気が乾燥するということは火災が起きる確率も上がります。

どんなときも災害の対策は忘れない用にしましょう。

火災の対策については以下の記事で解説しています。

フェーン現象のまとめ

フェーン現象は局所的に突然気温が上昇します。

40℃を超える暑さも観測されていて、非常に人間にとって危険な現象です。

 

熱中症はもちろん空気が乾燥することによる火災も心配です。

フェーン現象が観測された場所では熱中症や火災に注意しましょうね。

水分補給や火の取り扱いを徹底してね。

 

以上、防災やってみたのこーちゃんでした。

ばいばいばーい

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